エトノスシネマ

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2025.06.24

宮本馨太郎フィルム(5)漁村のくらし

文化財保護・博物館行政に尽力し、民具研究に従事した宮本馨太郎。仏製の9.5ミリカメラ、パテーベビーで現地調査を撮影し、作品化した映像民俗学者のパイオニアでもあります。
彼の作品を、いくつかのテーマに沿って取り上げます。
第5回のテーマは『漁村のくらし』。力強くたくましい海の民、かつての貴重な漁法の克明な記録。

『車窓より』(1930年/9分/モノクロ・サイレント/4:3)

海辺を走る蒸気機関車の車窓から見える風景を中心に、北陸を巡る旅の映像。途中下車で海辺の漁民に出会い、親不知駅を通り過ぎると、夕陽と共に旅の終わりへ。
『車窓より』

『霞ヶ浦のほとり(仮題)』(1931年/4分/モノクロ・サイレント/4:3)

霞ヶ浦でワカサギを売る女性たち。縁側で糸をつむぐ老婦人。船で渡る人々と木橋。霞ヶ浦周辺で生活を営む人々のスケッチ的な作品。
『霞ヶ浦のほとり(仮題)』

『霞ヶ浦にて(仮題)』(1935年/8分/モノクロ・サイレント/4:3)

渋沢敬三調査団一行来訪の際に記録した、イザサ・ゴロ曳き網、大徳網などの漁がメインの作品。迫力のある漁の映像から、多様な漁業で栄えていた当時の村の活気が窺われる。
『霞ヶ浦にて(仮題)』

『或る漁村の風景』(1932年/9分/モノクロ・サイレント/4:3)

千倉の漁村が舞台。迫力の網漁と海女の巧みな潜水、種々の魚だけでなくあわびや海藻も獲れたことが事が分かる。艫に旗がはためくシーンで、幕を閉じる。
『或る漁村の風景』
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