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2022.09.28

特集:南島のイレズミ文化

かつて、一人前のしるし、まじない、先祖から受け継いだ神話の刻印、あの世へ行く目印など、様々な理由で手や顔に刻まれたイレズミ。琉球列島では結婚前の女性たちが誇りととともに、また台湾の先住民は民族のアイデンティティとともに刻んでいました。しかし、近代化を推し進める日本が禁止すると、表立ってイレズミを彫ることはできなくなりました。1980年代、伝統的なイレズミを身にまとった最後の世代の人々に、消えつつあるイレズミの記憶を訪ねました。南島のイレズミ文化の貴重な記録2作品をお送りします。

『南島残照 女たちの針突(ハジチ)〜沖縄・宮古諸島のイレズミ〜』
『南島残照〜台湾原住民族のイレズミ〜』

『南島残照 女たちの針突(ハジチ)〜沖縄・宮古諸島のイレズミ〜』

沖縄・宮古のおばあたちの手に刻まれたイレズミ〈ハジチ〉。かつて南は与那国島、北は奄美大島・喜界島まで南島女性の象徴として見られたが、明治時代の「文身禁止令」以降、次第に廃れていった。1984年、沖縄本島と宮古諸島にハジチを伝える女性を訪ね歩き、88歳から99歳までの女性22人に自らのハジチについて語ってもらった。激動の世を生きた女たちの人生が、深く刻まれたシワとともに、饒舌な島言葉で語られる。南島のイレズミ文化の消滅直前の貴重な記録である。
(1984年撮影/2014年/64分/カラー/4:3)

【監督】北村皆雄
【撮影】柳瀬裕史・北村皆雄
【制作】北村皆雄・三浦庸子
【監修】名嘉真宜勝
【琉歌】嘉手刈林昌
【わらべ歌】糸満市西崎小学校合唱部 [採譜・編曲]杉本信夫
【撮影助成】公益財団法人トヨタ財団
【製作・配給】ヴィジュアルフォークロア

『南島残照〜台湾原住民族のイレズミ〜』

1980年代、台湾の原住民族9民族のうち主に4民族にイレズミの習俗があった。イレズミは女性にとっては婚姻のできる印、男性にとっては首狩りをして、一人前の男と認められた証しだった。日本の植民地時代(1896-1945)の干渉で首狩りやイレズミの習慣が消えていった。この映像はパイワン族・ルカイ族・タイヤル族・サイシャット族のイレズミを追った貴重な記録である。現在、伝統的なイレズミは見られない。
(1984年撮影/2014年/39分/ビデオ/カラー/4:3)

【監督・撮影】北村皆雄
【構成】北村皆雄・櫻庭美保
【音効】齋藤恒夫
【整音】飯森雅允
【編集】櫻庭美保
【制作】北村皆雄・三浦庸子
【監修】山本芳美(都留文科大学教授)
【製作・配給】ヴィジュアルフォークロア
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