2021.10.08
特集:原インドの世界
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インドには460あまりの先住民族がいるといわれ、インドの基層的な文化を伝えています。東西の代表的な先住民、ラトワ(グジャラート州)の儀礼壁画と、サンタル(西ベンガル州)の語り絵を通して、インド文化の深層を形づくった原インドの世界観をさぐります。インド風土の根源的な命と出会う2作品をどうぞご覧ください。
【シネマ館】『豊穣の馬 ラトワの儀礼壁画』(1995年/32分) 【シネマ館】『ベンガルの語り絵師・ポトゥア』(1995年/23分)
《特集:原インドの世界》予告編
『豊穣の馬 ラトワの儀礼壁画』(1995年/32分/カラー/4:3)
インドにアーリア人が移る以前から住んでいた先住民のひとつラトワの村では、ピトラと呼ばれる壁画が家の壁三方を埋め尽くし、彼らの神話世界や宇宙観を表している。どの壁画にも豊穣神バーボ・インドの甥ピトロとピトリの結婚式に列席する神々の姿が中心に描かれる。ラトワの人々は、家族の繁栄や作物の豊穣、家畜の増えることを願って、壁画を描き換える。穀物の種子を発芽させて予祝する農耕儀礼や、憑依を伴うシャーマンの儀礼を行い、神々や祖霊を家の壁に留まらせる。
『ベンガルの語り絵師・ポトゥア』(1995年/23分/カラー/4:3)
ベンガルの村々を廻って歩く「ポトゥア」と呼ばれる語り絵師たちがいる。先住民サンタルの村を門付けして歩くサンタル・ポトゥアは、神々、自然、動物など、この大地で生きるものたちの多彩な世界を描く。死者をあの世に導く呪術的な絵も扱う。別の語り絵師ベンガル・ポトゥアは、人々に馴染みの深いヒンドゥーの神話やエピソードを色彩豊かな絵巻にし、抑揚のある歌で絵解きをする。照る日曇る日、村々を巡り、門付けをして歩くベンガルの語り絵師たちを記録した。